HOME › 第3講 アガリクスはどのようにがん細胞に作用するのか? › 今期待される免疫療法
ヒトの体を健康に保つため、体内に入った病原体やがん細胞などの異常な細胞を排除する機能が免疫です。同じ病原体が進入してきたときに、病気にかからなかったり、症状が軽かったりするのは、免疫細胞がその病原体を記憶していて、より早く免疫機能が働くからです。
幼児期にポリオやジフテリア、破傷風のワクチンを接種したり、流行前にインフルエンザの予防接種を受けたりするのは、人工的に弱毒化した細菌やウイルス等の病原体を前もって免疫細胞に記憶させることで病気にかかりにくくするためです。
体を構成する細胞にはいろいろな種類があります。この内、免疫機能を担当しているのがリンパ球・マクロファージ・好中球などの細胞です。
リンパ球には、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、そしてT細胞があります。NK細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞などを殺傷する能力をもっています。B細胞は、抗原(=病原体)に特異的に結合して無毒化する免疫グロブリンというタンパク質(=抗体)を産生します。T細胞は2種類に大別されます。一つは細胞傷害性T細胞といって、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を殺傷する能力をもっています。もう一つはヘルパーT細胞といって、他の細胞に作用する物質(=サイトカイン)を産生してB細胞の抗体産生を活性化したり、他のT細胞を活性化したりします。
マクロファージには、細菌などの異物を貪食して殺菌する作用があります。好中球もマクロファージと同じ働きをします。このように、多くの種類の細胞が免疫にかかわっているのです。
がん治療における免疫療法とは、免疫担当細胞、サイトカイン、抗体等を活性化する物質を用いて免疫機能を高める治療法で、細胞免疫療法・ワクチン療法・サイトカイン療法・BRM療法・投体療法・遺伝子療法などがあります。がん治療として現在広く行われている外科療法、化学療法、放射線療法に続く、第4の治療法として期待されています。
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