HOME › 第3講 アガリクスはどのようにがん細胞に作用するのか?
ヒトの体は、免疫系という機能を持っています。免疫系では、体を異物から守るために、侵入した細菌を殺す働きを持つ細胞(白血球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、Tリンパ球など)や、異物を排除するのに役立つ物質(=抗体)を作り出す細胞(Bリンパ球など)が活躍しています。
がん細胞は、正常細胞に何らかの異常が起こった結果発生します。がん化した細胞は、免疫細胞の働きにより異物と認識され排除されるのです(すべてのがん細胞が免疫機能で排除されるとは限りません)。
ここで、アガリクスと免疫細胞の活性化の関係を示す実験を見てみましょう。
【実験】
腫瘍細胞を移植したマウスにアガリクス抽出液を投与すると、生理食塩水を投与した対照群と比べて、がん組織の周囲に免疫細胞(リンパ球)が集まっているのが観察されました。(下図)これは、がん細胞を攻撃するために集まってきたもので、アガリクス抽出液によって免疫機能が活性化されたと考えられます。
(この実験結果は、ホクト株式会社と信州大学医学部の共同研究によるものです)
脾臓は、血液中から異物を除去する濾過器の役割を持っていて、濃縮された異物は脾臓中のリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞の働きにより除去されます。
アガリクスの抽出液を口から投与したマウスでは、脾臓のTリンパ球数が増加したことから、アガリクス抽出液は継続的な免疫作用に関係するTリンパ球を増加させたと思われます(M. Mizuno et al, Bioscience, biotechnology, and biochemistry 62, 434-437, 1998 )。
単球やマクロファージというのは、初期の免疫作用で活躍する細胞です。アガリクス抽出液を投与したマウスでこれらの増加が確認されたということは、アガリクス抽出液は、素早い免疫反応に関係する免疫細胞を増加させたと考えられます(A. Nakajima et al, International immunopharmacology 2, 1205-1211, 2002)。
つまり、アガリクスは、免疫の仕組みの初期に直ちに働く細胞と、継続的に働く細胞のどちらも増加させるといえます。
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